◎損害賠償請求までの道
平成15年3月5日付けで
弁護士を代理人として、ごえもんの繁殖元であるブリーダーに
内容証明にて 損害賠償請求を送りました。
ブリーダーには、平成14年7月に亡くなった連絡をしても
何の音沙汰もないまま平成15年を迎え
かなりの憤りを感じていました。
ごえもんの病気と死による精神的苦痛は計り知れないものでしたが
さらに深い精神的苦痛を重ねる事になり、わたしを苦しめました。
ある事がきっかけで、わたしの苦悩は頂点に達しました。
ブリーダーを訴えないと気が済まないような気持ちになりました。
今後のためにも、法的にきちんとしたいという希望もありました。
なぜなら、遺伝疾患のために今も苦しんでいるわんちゃん&飼い主さんが
全国にたくさんいらっしゃるからです。
プロアマ問わず、繁殖をなさる方へは
遺伝に対して、もっと徹底した安全管理の元での交配を望みたいと切に願います。
警鐘を鳴らすためにも、訴訟を起こしたいと思いました。
ごえもん家の場合は、ごえもんがCLで死んでしまったという事実がありました。
今後学会での発表や論文作成という主治医の決意もわかっていた事でした。
『自分たちが経験した事だけを報告する!
誰にも文句は言わせない!言われても気にしない!』
という強い意志がありました。
これは、ごえもんが死んでしまったという究極の想いから生まれる物だと思います。
精神的にサポートし、応援してくれる友人も控えていました。(いつもありがと〜!)
そんな背景があり、病気の公開に踏み切る事が出来ましたが
勇気を出して公表して欲しいと思う反面、今現在や今後の生活があるわけですから
公表出来ないとしても、それは考えられる選択であると思います。。。
そのような事もあり、訴訟に関して知り合いの法律事務所に相談に行きました。
その結果は。。。
※犬は物品扱いになるので、購入した時点で売買契約が成立する事になる。
ごえもんの場合は言葉は悪いけれど
欠陥商品を売られた事に値するので、物なら交換という事になるが
死んだからといって違う犬と交換する事にはならないので
損害賠償を請求出来る権利が発生する。(賠償=購入金額)
死因となった病気に関する治療費も請求出来る。
加えて、病気や死に至った事に対する精神的苦痛と
誠意のないブリーダーの態度で更に精神的苦痛を受けたという意味での
慰謝料を請求出来る。
慰謝料に関しては、数年前まではペットに対しては認められなかったが
近はペットも家族の一員という認識が深まり、慰謝料も認められるようになった。
ただし裁判となった場合、認められる慰謝料の金額は5〜10万円程度と考えられる。※
訴訟について
※わたしが申し立て人となり、ブリーダーに対して訴訟を起こすという事は
民事裁判に発展するという事であり、
自分の居住地ではなく、相手方の居住地の裁判所に訴訟を起こす事になる。※
これには愕然としました。
相手方の居住地での裁判となれば、裁判費用の他に往復の交通費がかかります。
裁判となれば、自分の都合のいい日時なんて認められない事も知っています。
1,2回で終わればいいですが、やってみない事にはどのくらいかかるかわかりません。
仕事もあり、生活もあります。
金銭的にも物理的にも無理でした。
嗚呼、わたしにお金と時間があれば。。。
訴えたくても訴えられない現状に
悔しくて、悲しくて、切なくて、地団太を踏む想いでした。
弁護士からいろんな方法やアドバイスをいただき
時間をかけて考えて、わたしが決めた事は
法的に認められた方法で、損害賠償を請求するという事でした。
きちんとした形を残したいと思ったので、弁護士を代理人とした内容証明による
損害賠償請求という形になりました。
【内容証明】
郵便物の特殊取扱の一。
郵便物の内容(文書・日付・差出人・あて先)を謄本で証明するもの。
内容を後日の証拠として残しておく必要のあるときに利用される。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
《 損害賠償請求書 》
冠省
当職は、粕川氏の代理人として次のとおり請求致します。
1,粕川氏は、貴殿から平成12年7月2日
ボーダーコリー子犬1匹(オス、名前ごえもん)を購入致しました。
しかし、上記子犬は
平成14年7月19日にセロイドリポフスチン症により
死亡致しました。
同死因は遺伝性の病気ですので
購入時の子犬に瑕疵(かし)があった事になり
※ 【瑕疵】 かし (きず。欠点。法的に何らかの欠陥・欠点のあること。)
※
粕川氏の契約解除権、損害賠償請求が発生致します。
よって、本書面によって、上記購入契約を解除致します。
2,損害額は次のとおりです。
@子犬購入代金
A前記発症後の検査・治療・入院費として
日本大学生物資源科学部動物病院に支払った金額
及び平成14年4月25日から同年7月19日までの診療費として
○×ペットクリニックに支払った金額の合計金額。
B粕川氏は前記愛犬の疾病及び死亡により
言い尽くせぬ精神的苦痛を受けました。
しかしながら、精神的苦痛としての慰謝料請求は
愛犬の命の値段のようで忍びないとの事ですので
慰謝料請求は放棄致します。
下記口座宛てに @+Aの合計金額を振込送金されるように
○○法律事務所
弁護士 ○○○○
○×○×様
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ブリーダーからは、1月末に電話が来ました。
損害賠償請求の意向を伝えました。
初めて謝罪の言葉がありました。。。