TOKIKO日記

 

◎2002年 1月15日(火曜日)

 

 深刻な困った話が舞い込んできた。

 

 金銭的な事を含めて、事情のある人が飼いきれなくなった犬の保護

 私の友達が頼まれて、とりあえず引き取りにいって、色んな方面の方の

 協力をお願いして、里親を探す事になったんだけど…

 

 どうなることやら・・・

 

 

◎1月16日(水曜日)

 

 元飼い主宅の3頭いるうちの2頭を保護していて、

 残りの1頭はブリーダーさんが迎えに来ると聞いていたんだけど、

 それがまた元飼い主の話に食い違いがあることが分かって、

 急きょ、残してきた1頭を迎えに行って来た。

 「世話をしない」とは聞いていたが、想像を絶する状況に私は愕然とした。

  ウンチ、オシッコ、抜け毛にまみれたバリケンを、

  そのままでは車に乗せられないので

  友人と2人で何度も何度もこすって洗い、

  帰って来てから、2人とも無言で犬を何度も何度もこすって洗い…

 

 今日引き取ってきた犬は、見るからにたくさんのストレスを抱えている。

 

 幸い、この犬にはブリーダーさんをはじめ、兄弟犬を飼っておられる方々などが

 ずいぶん気にかけてくださっているので、行き先が決まるのもすぐだと思う。

 

 いつまでうちにいるかは分からないけど、

少しでも幸せな生活を過ごさせてやりたいと思う。

 私の微力では、どこまでのことがしてやれるかは分からないけどね。

 まぁ、お腹いっぱい食べれてウンチまみれのところで寝ないで済むだけマシ…だよねっ!!

 

 世の中、普通の常識では考えられない人がたくさんいるのは分かっているけど

 犬が犠牲になる必要はどこにもないはず。

 ほんとに・・・残念です。

 

◎2月1日(日曜日)

 

 先月保護して来たボーダーのラッキー。

 彼もすっかり我が家での生活にも慣れて、元気に毎日を過ごしている。

 今回も、うちの犬達の受け入れの良さにはほんとに助けられた。(私もラッキーも)

ただ受け入れるだけではなく、ラッキーにとってはいい教育係だ。(笑)

 

 ラッキーは、春に2歳になる若い犬だけど、「虐待」されていた犬なので

 体はうちのなつより2周り大きいにもかかわらず、体重は同じ位しかないし、

 狭いケージに閉じ込められていたので、筋肉もなく、歩き方もぎこちない。

 

何かにつけて、ビクビク怯え、隅の方で小さくなって寝るような状態だった。

 が! この数週間でずいぶん変わった。

 なつやルナと散歩に行くことで、歩くのも上手になったし筋肉もついて来た。

 山歩きはまだ無理と獣医さんに言われてるけどね。(笑)

 

 家の中でのルールも良く覚えた。

 体は大きくても、うちのチビ達には決して勝てないと分かっている。

 そんなラッキーだが、「噛み犬」だとか「狂暴」だとか噂されてたんだよね〜。

 

 保護した当時のラッキーと、その後のラッキー。表情全然違うもんね。

 

 肉体的にも、精神的にもまだまだ「リハビリ」が必要なラッキー。

 疲れている時や、バタバタしてるときなんかは正直、イライラすることもある。

 でも、ラッキーにはなんの罪もない。

 

 ラッキーのリハビリは私の修行でもあるみたい。(笑)

 お互いに頑張ろう!ラッキー!

 

 うちより幸せにしてくれるお家を探すためにも心も体も元気にならなくっちゃね!

 

◎2月11日(月曜日)

 

 ちょっとゆっくり出来るかなと思った矢先にラッキーが

 みんなとリビングで大人しく寝てると思ってたら、ひそかに電気コードを齧って感電。

 ひっくりかえっているではないかっ!!!Σ( ̄口 ̄;;

 

 幸い、たいしたことはなく直ぐに正気に戻ったけど、

 焦った私はとにかくコードを口から出さなくては!!と、

 口をこじ開けようとして手が滑り、左手の親指に犬歯がグサッ…

 これも大したことなくすんだけどね。爪が半分紫色だけど。(爆)

 

 それでも、ラッキーはうちに来て約2週間。

 よく食べるし、よく寝るし、毛艶も良くなって来たし、体重も増えてきた。

 が、相変わらず学習能力は低くて(笑)

 同じ雄同士だからか、自分の力を誇示しようとするボスに、何度飛びかかられても

 ふらふらボスの所へ寄って行こうとする。(-_-;)

 

 まぁ、ボスも飛びかかって威嚇するだけで

本気で噛みついて怪我をさせることは無いのだけど

 それでも私は気が気でない。

 「そっちはダメ!」「そこはボスが寝てるでしょう!」と、ラッキーから目が離せない。

 

 それでも、しばらくするとボスもラッキーもリビングの好きな所で寝る。

 やれやれ…と、私もやっと気を落ち着ける事が出来る。

 

 で、みんなと一緒にコタツで寝る…と。

 

 ◎2月12日(火曜日)

 

 今日は、ラッキーが去勢手術。

 体調もばっちり、お昼前に病院へ預けに行った。

 

 その後、久しぶりに山登りへ出かけた。

 ラッキーはまだ筋肉が頼りないので、登山など急に激しい運動はダメと言われてたので

 ずっと山へも出かけてなかったのよね。

 

 行き先は、福崎の「七種の滝」のある七種山。

 帰りに、暖かいおうどんを食べて、ラッキーを迎えに行った。

 無事に手術を受けて、私の顔を見て喜んで出てきました。

ラッキー、頑張ったね!

 

 来週からはラッキーも山行くぞ〜!

 

◎2月21日(木曜日)

 

 今日は、姫路の広峰山へ行ってきた。

 ラッキーの山デビューなのだ。(笑)

 

 最初はおっかなびっくりだったラッキーも

 大喜びで走っていくルナルナコンビやなつ&まるにつられて、

 だんだん足取りも軽くなっていく。

 まずはルナ姉に繋いで歩いてもらう。(笑)

 急に立ち止まったり、小さな溝にはまったりと挙動不審なラッキ

 さすがのルナも迷惑そうだったけど

 特別報酬のおやつがもらえるので機嫌良く引いてくれた。(笑)

 

 しばらく様子を見て、大丈夫と判断したので

 途中からノーリードで、ラッキーもダッシュ!

 1ヶ月前は、ちょっと歩いただけでパッドが剥けていたなんて嘘みたいでしょ。

 みんなで記念撮影だけど…ラッキにはやっぱりまだ無理だった。(爆)

 ボスの横でポールに繋いでたんだけど、ちと遠かった!

  

 行きの車の中は時々興奮して吠えていたラッキーだったけど

 帰りの車では、いちばん爆睡していたわ。

 疲れただろうけど、それ以上に楽しかったに違いない。

 今度はどこへ行こうか。

 

◎2月26日(火曜日)

 

 今日は、揖保郡の「ヤッホの森」へ行って来た。

 山道は、歩きやすいようになっているけど、なかなかのハードコース。(私だけか)

 でも、平日だとほんとに人にもほとんど会わないし、

 犬ゾロゾロ連れて行く私にはちょうどいいかも。(笑)

 

 犬達は今日も大喜び。ラッキーもしっかりみんなに付いて歩いた。

 歩け、歩け、ラッキー。 今日も犬達と楽しい1日を過ごせた。

 

◎2月27日(水曜日)

 

 午後から、買い物に行って、そのまま志方の城山公園へ行ってきた。

 昨日、たっぷり歩いたので、

 さすがにシニア組は疲れるだろうと思って今日は休ませ、

 ボク・チャコ・チャッピ―となつ・まる・ルナに

 ラッキーと若い組を連れて行った。

 

 城山公園は、以前は車で上がれた山道が車両通行禁止の遊歩道になっていて

 旧駐車場から公園までの林道へ到着するまででも結構いい運動になる。

 

 登る事数十分で公園に到着、その先のお城跡で遊んできた。

 実は、ラッキーは来週の水曜日に里親希望の方のところへ

 「お試し」と言うことで連れて行く事になっている。

 

 「お試し」で、里親さんに気に入ってもらえたら

 もう帰ってこないことになる。

 だとしたら、

 私の家族としてのお出かけは今日で最後ということになる。

 最後になってほしいような、なんだか寂しいような 

 複雑な気持ちでラッキーの寝顔を見つめる私なのだった。

 

 ラッキー、今日も楽しかった?

 ひとつひとつの楽しい思い出が、

 ひとつひとつ辛い記憶を消してくれるといいんだけどな。

 

◎3月5日(火曜日)

 

 暖かくて、色んな花の咲く大好きな季節が近付いている。 

 でも、今日の私はすご〜〜くブルーなのだ。

 

 明日、いよいよラッキーを里親希望の方の所へ連れて行く。

 年配のご夫婦で、奥さんの方が特に今回の話に乗り気らしい。

 ボーダーなのに、年配の方で大丈夫?って聞かれそうだけど

 全てのボーダーに同じ運動量がいるわけではない。

 

 ラッキーにとって、今いちばん必要な事は、静かな落ち着ける環境で、

 穏やかな愛情をたっぷり注いでもらうことだ。

 

 2年間、狭いゲージの中に閉じ込められ、

 いつもお腹を空かせ、怯えていたラッキー。

 

 これは、「可哀想だったね」との言葉だけで片付ける事なんて

 絶対出来ないのだ。

 ラッキーの心の傷は

 想像をはるかに越えるほど大きくて深いと思う。

 

 それは時々、ラッキーの行動に現れる。

 ラッキーと暮らすということは、それらを全て理解し、

 受けとめ支えるということ。

 頭では分かっていても、ほんとに難しいと実感した2ヶ月だった。

 時々出る、ラッキーの問題行動も、

 ラッキーは私を困らせようとしているのではない。

 ラッキーは、ただ、その時その時で一生懸命なのだ。

 

 ラッキーを保護して、周りのみんなに「よくここまで世話したよ」とか

 「ラッキーは幸せや」とか言われるけど、

 結局、私自身はラッキーを手放す前日になって、改めて

 ラッキーに申し訳ない気持ちでいっぱいなのだ。

 

 犬も猫もいっぱいいて、人の出入りも激しくて毎日賑やかで騒々しい生活。

 「あれはダメ、これもしちゃダメ」叱られる事もいっぱいで…。

 それでもラッキーは私をリーダーと決め、言う事を聞こう、覚えようと一生懸命だった。

 

 明日持っていく物を揃えたり、ゲージを綺麗に拭いて毛布を替えたりしてたら

 涙が出てきた。

 

 ラッキーは私に捨てられたと思わないかな。思わないよね?

 騒がしくて、落ち着ける環境とはとても言えないけど、それでもうちが良かったら

 いつでも帰って来ていいんだからね。

 って、最初から私がこんなんでどうすんだよ〜!

 ラッキーは1頭でベッタリ愛情かけてもらえる暮らしの方がいいんだって決めたのも

 私なのに!

 

◎3月6日(水曜日)

 

 朝、雨が上がっていたら河川敷で散歩しようと決めていたので

 バタバタとラッキーのゲージやら、フードやら、思い付く物を車に乗せて出発。

 

 ラッキーも嬉しそうに車に乗り込んだ。

 みんなで車でお出かけだと思って、嬉しかったのだろう。

 

 いつのまにか、「呼び戻し」もしっかり身に付いていたラッキー。

 リード離して、みんなで追いかけっこ。

 

 そして、今回里親希望の方と私の間に入ってくれている方との

 待ち合わせの為 河川敷から近くの駅へ。

 道案内してもらって、いよいよ里親さんのお宅へ向かった。

 

 ラッキーの到着を待っていた里親さんに挨拶をして、

 ラッキーを車から降ろし、

 ひととおりの事情と、今のラッキーの状態や

 気を付けて欲しい事などを話して

 とにかく、大事に可愛がってやってください、とラッキーを預けた。

 

 フードを少し食べさせてもらったりして、ご機嫌だったラッキーだけど

 私達が帰ろうとすると、後を追って鳴いた。

 

 ラッキーにしてみたら、なんで自分だけ置いていかれるのか理解できなくて当然。

 私は身を切られるような思いがした。

 「やっぱり連れて帰ります」って言葉が出そうになった。

 

 でも、里親さんは「大丈夫、大丈夫。可愛がるから!」と言って下さって・・・。

 その言葉を信じて、「よろしくお願いします」と何度も言って、帰って来た。

 

 私にとって、「里子に出す」というのはこれが初めての経験。

 向いてないな、ってつくづく感じたわ。辛すぎる。

 それがその子の為だと思ってても、ほんとにそうなのか、

 いつまでも自問自答してる。

 でもラッキーは、夫婦と1頭のあの生活の方が、きっと幸せだと思う。

 

 これからの長いラッキーの穏やかで幸せな犬生のために、

 私は今は祈るしかないんだな〜。

 

◎3月8日(金曜日)

 

 ラッキーがいなくなって2日。

 元に戻っただけなのに、ラッキーがいないのがすごく不思議。

 「何かあったらすぐに電話しますね」と言ってた里親さんからは、何も連絡はない。

 

 きっと、なんとか上手くいっているのだろうか。

 こっそりと見に行きたい気持ちを、グッとこらえる私なのだった。

 

 しかし、いつまでもクヨクヨメソメソしてもいられない。

 仕事が日に日に忙しくなってきている!

 

◎3月12日(火曜日)

 

 ずっと忙しい1週間だったから、

 なんか休みまでが早かったような、待ち遠しかったような…

 

 ともかく、今週は連休だ。天気も朝から気持ちよく晴れ渡っていた。

 

 昨日の夜、ラッキーの里親さんと私の間に入ってくださっている方から電話があって

 どうも里親さんが気疲れをしているらしいとのことで、様子を見に行ってくれないか

 と言われ、

 ラッキーに会いに行ってきた。

 「会いに」と言うより、迎えに行ったと言う方がいいかな。

 

 何度かその間に入ってくれてる方から

 電話で様子を教えてもらっていたんだけど

 リードを噛み切ったとか、河川敷へ散歩へ行っても歩かないとか

 うちにいた頃には しなかったようなことをしていると知って

 私としても気になってしょうがなかった6日間だった。

  

 里親さんは、里親さんなりに

 一生懸命ラッキーの心を開こうと頑張ってくださったの だと思う。

 それでも、時折出るラッキーの不可解な行動には

 やっぱり驚き、戸惑い、そして気疲れをしたようだった。

 

 私だって、最初はそうだったもんね。

 頭では理解しているつもりでも、目の当たりにすると戸惑い、悲しくなるもの…。

 

 長い目で見て、ひとつひとつをゆっくり改善していくより他に方法はないのだ。

 だから、たった6日で答えを出されたことは、少し残念でもあるけど

 ラッキーにとっても里親さんにとっても、限界ギリギリの所だったのだろう。

 

 今回のこのお話がダメだったら、もうどこにもやらず、

 うちで面倒を見ようと母と話していた。

 

 うちみたいに賑やか過ぎる家じゃない方がいいんじゃないか、

 という気持ちはやっぱりあるけど、

 それでもあっちこっちたらい回しにされることの方が

 ラッキーにはいちばん可哀想な ことだと思う。

 

 「飼い主」と「家」がいつまでも決まらない事には、

 ラッキーの心穏やかな生活は望 めないもんね。

 ラッキーの為に今必要なことは、飼い主との信頼関係を築くことだと思うから…。

 

 私では役不足なのは十重承知しているけど、ラッキーと一緒に頑張りたいと思う。

 道は険しく長いけどね。

 いつか、今日のことを笑い話に出来る日が来る事を願って…。

 

 色んな願いや希望を込めて、ラッキーは今日から「ホープ(Hope)」に改名します!

 

 どうぞ、よろしく。

 ラッキー改めホープを迎えに行ったその足で、ホースランドパークで散歩して来ました。

 

◎3月13日(水曜日)

 

今日も朝からいい天気で暖かい〜♪

 

午前中、ホープも含め若い犬組と河川敷で散歩したんだけど

ほんとに気持ち良くて、土手に座ってホケ〜ッとして来た。(笑)

 

ホープは、うちに戻ってまた生活が変わったので、やっぱり少し情緒不安定になって

いるみたいで

挙動不審なと言うか、不可解な行動は前より多くなっている。(T△T) 

 

でも、昨日より今日は随分マシ。

明日は今日よりマシなはず。こうして毎日少しづつ、慣れていくしかないもんね。

頑張れ、ホープ。

 

午後から、綾部山梅林へ行ってきた。

来年はホープも連れて行けるといいなぁ。

 

◎3月16日(土曜日)

 

今日も暖かくていい天気だった。

私が仕事してる横で、犬も猫も気持ち良さそうに日向ぼっこしながらお昼寝。

ホープも、日に日に落ち着いてきて徐々にうちでの生活を思い出しているように思う。

それでも、寝てたと思ったら突然起きて、何かと戦ってたり。(笑)

見えない相手から首根っこを掴まれるのから逃れようとしてるかのような仕草をして、

まるで、幻覚でも見てるみたいに急に逃げ回るのだ。

 

夢でも見るのか、何かの拍子に怖い思い出が甦るようで、これって今

人間でも問題になっている、「PTSD」ではないかと思う。

 

最初見た時は、ほんとビックリしたし、どうしていいかわからなくて悩んだけど

最近では私も慣れて、ホープがそう言う行動を取った時は

「ホープ!しっかりしなさい!」と大声で呼びかけて、我に返すことにしている。

 

だけど、確実にその変な行動も日を追うごとに少なくなってきてる。

今はゆっくりでも頑張るしかない。

 

私の責任重大だなぁ〜。

 

◎3月21日(木曜日)

 

毎日、忙しくさせてもらってほんと、ありがたいことだね。

夕方、母と散歩するホープ。

ホープも一進一退。焦ったらダメダメ!(と自分に言い聞かす)

 

◎4月3日(水曜日)

 

さてさて、今日はお店の定休日。

加古川も桜が満開になったので、一家揃ってお花見に行ってきた。

友人のわんちゃんも含めて

総勢13匹のワンコ連れである。(^-^;A

 

相変わらず、状態は一進一退のホープも

しっかり付いて歩いたよ。

 

◎5月1日(水曜日) 

 

 ともかく、今日から5月。気持ちも一新、また頑張るぞぉ!

 

 今朝、一通のカードがメールで届いていた。

 

ホープ君へ。2歳のお誕生日おめでとうって。

 

そう、4月30日はホープの誕生日だったのだ。

そういえば、彼を保護した頃に聞いたような気が・・・

すっかり忘れてたよ〜!ごめんね、ホープ!

 

ってことで、雨もどうにか上がったし、午後からみんなでお祝い散歩へ出掛けた。(笑)

行き先は播磨中央公園のフラワーガーデン。

ポピーがとても綺麗だった♪

 

2歳になったホープ。お誕生日おめでとう!

3歳を迎えるときにはもっと笑顔になってるといいな。

 

みんなでたっぷり散歩して、

ホープのお誕生日おめでと散歩の〆は、狂犬病の予防注射!(笑)

帰りにかかりつけの獣医さんへ寄って、

全員フィラリアの検査もしてもらってきた。

 

 

◎ホープの入院  2002,8,8  

 

ホープが、昨日と今日テンカンのような発作を起こした。

 

1ヶ月ほど前、トイレのために庭に出していた時にも同じような発作を起こし

涼しい時間帯だったとはいえ、天気のいい日だったので「熱中症」にでもなったのかと

慌てて体に水をかけて、その時は治まったんだけど・・・

 

今回はどちらも室内で寝ていて急に起こった発作だった。

かかり付けの病院に電話して、症状を話すと「テンカンの発作でしょう」とのこと。

 

ホープは、いつの頃からか目が見えなくなってしまっていて

見えない不安と、元々からのおかしな行動が相まって、

最近のホープは本当にヒドイ状態で、悩みの種だった。

 

今日は当日予約を取らずに、仕事が終わって7時に動物病院へ。

先生に状況を話して、眼圧とか眼底とか色々見てもらっていたら

それまで大人しくみさせていたホープが急に暴れだしたと思ったら

手足を硬直させ、目を閉じ、テンカンの発作が始まってしまった。

 

AHTさんが暴れるホープを抑えるため首を抱え込んでいて

苦しそうだな・・・と思ってた矢先だったので、私も取り乱してしまって

「首が苦しいんちゃうん!?」とAHTさんに大声を上げてしまった。m(_ _"m)ペコリ

 

先生のすばやい判断と指示で、数本の注射を受けてホープの発作は治まった。

 

ホープが痩せてガリガリなので、低血糖によるテンカンかも、と言われ

ご飯が足りなかったのかと思わず自分を責めたが、血液検査の結果は

血糖値を含め、何も異常はなかった。

 

でも、とにかく今のホープの体は発作に耐えられるギリギリの所だとのことで

そのまま入院となった。

この入院の間に、テンカンの原因を探るべく、脳の検査など病院で

出来る範囲の検査を全てしていただくことになった。

 

テンカンの発作もショックだったけど、このままでは体が持たないほど

体力を消耗させてしまっていたことが更に追い討ちをかけた。

 

ホープが太らないのも、実際悩んでいたことだった。

とにかく、フードの食べ方が異常で、すごい勢いで顔を食器に突っ込むわりに

散らばす方が多くて、結局ケージの底に散らばったフードをニワトリみたいに

拾って食べるような状況だった。

 

それでも、他の犬猫には横取りさせてないし、おおかたの量は食べてるはずだった。

 

「太らない」と言いながら、なんでもっと工夫してやらなかったんだろう。

最近になってやっとパピーに変えたとこだった。

もっと早く変えて、量も増やしていたら・・・と悔やまれる。

 

ごめんね、ホープ

とにかく無事に帰ってきますように・・・

 

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◎ ホープ退院  2002,8,9  

 

昨日のホープのことがさすがに応えて、夕べから全くお腹が減らない私。

9時過ぎに、病院に電話してみると主治医の先生が診察中なので

こちらからかけ直します、とのこと。

 

電話を気にしながら午前中の仕事。

お昼過ぎに先生から電話を頂いて、夕べから今朝にかけての検査の結果では

特に大きな異常は見当たらず、テンカンの原因を特定するには至らなかったとのこと。

 

ホープの目は、「コリーアイ」というコリーやボーダーなど特定の犬種に

見られる遺伝性のものらしい。

 

そう聞いて、「コリーアイ」で検索していろいろ調べてみた。

症状は2歳までに現れて、劣勢遺伝なので黒いボーダーよりホープのような

レッドの方がその可能性は高いようだ。

コリーアイでも、網膜はく離を起こさなければ失明ということはないらしいけど

ホープは、虐待を受けてきた犬だ。

 

金属バットで殴られてきた犬だ。

最悪の条件が重なっての失明ということだろう。

ホープがいったい何をした?なんでこんな目にあわなければいけない??

 

コリーアイという遺伝性の病気になったのも、繁殖する人間が

もっと真剣に勉強して検査してれば防げたことだ。

 

純真無垢でこの世に生まれ、兄弟たちとともにそれぞれ巣立ち、

新しい飼い主の元で幸せな犬生を送る。

飼い主は、自分が選んで迎えた犬を幸せにする義務がある。

 

こんな当たり前のこと、なんで出来ない人間がいるんだ?

ホープは最悪の人間に当たってしまった。

そういう運命?

だとしたら何でホープがそんな運命を背負わなければいけないんだ?

 

何の罪もないホープが2歳の若さで暗闇の生活だ。

散々、怖い目に合わされて、それらを全て抱え込んだまま暗闇の世界だ。

可哀想、ってもんじゃない。想像つかないよ。

 

しかもテンカンの発作。

それを介護する私の辛さが分かる?

 

ホープをこんなにした人間へのどうしようもない憤りと悔しさ、

私の思いがなかなか通じないホープへの悲しさ。

 

そして「何で私がこんな目に?」という人間らしい嫌な本音。

でも、それもホープには何の罪もないことも承知している。

 

とにかく、ホープと共に頑張ります。

心がどうしようもなく疲れたときは、それこそ、うちの犬猫たちが

本領発揮して癒してくれるもんね。

 

頑張ろうな、ホープ!9月になったらCT検査だ。

 

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 ◎気持ちも新たに  2002,8,10   

 

まだ何となく私は食欲がなく、なんか気持ちが重いが

そんなこと言ってられない体力勝負の私。

 

今日からまた、ご飯もしっかり食べて仕事もホープの世話も頑張るぞ!

 

ホープは上手く物を食べられないので、当然錠剤を与えるのも一苦労。

先生にもそのことを話していたら、ホープのテンカンを起きにくくする薬を

水薬と、粉薬にして処方してくださった。

粉薬は、水で溶いてスポイトで飲ませるんだけど、それでも飲ませるの

大変だろうなぁと思っていたけど、意外にもホープは顎の下を保定されても

暴れず後ずさりもせず、上手に飲んでくれる。

 

そして、何より嬉しいのはその薬の効果がよく表れていること。

 

ご飯を以前よりずっと上手に食べられるようになった。

器を顔のところまで持って行って、ずっと支えてやらないといけないので

時間かかるわ、しゃがんでるので足と腰は痛くなるわで一仕事だけど

それでも、あの狂ったようにガンガン顔を器にぶつけながら

フードを散らかしてた時とは大違い!

 

一日、テンカンの発作も起きなかったし。

 

この調子、この調子!

しっかり食べて、体力付けなくちゃね。

 

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◎ぼやき  2002,8,11  

 

ぼやきと言っても、ホープのことでも仕事のことでもない。

ホープは今日も一日発作起きなかったし、ご飯もたくさん食べられたし

まずまず順調。

 

朝、起きたらおしっこ踏んだ足で動き回ってその辺えらい事になってたけど。

予想は付いていたから、廊下に仕切りを立てて

玄関ホールまでしか歩けないようにしておいたので被害は最小で済んだ。

 

 

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◎久しぶりに・・・♪  2002,8,14

 

今日は待ちに待った定休日だけど、犬とのお出掛けも今日はお休み。

 

ということで、午前中にホープのシャンプーをした。

って言うか、ウンチを踏んじゃって汚れも匂いもピークに達したので

洗わざるを得なかったんだけどね。

シャンプーが引き金でまた発作が起きたらどうしよう・・・と一抹の不安はあったが

先週、投薬を始めてから一度も発作を起こしてないので、思い切って洗った。

 

朝の薬を飲ませた後だったせいもあってか、とても落ち着いて洗わせてくれた。

ドライヤーも、途中まではとても気持ち良さそうにしていたので

ついでに足先にバリカンを入れた。これでウンチ踏んでも洗いやすいぞ。(笑)

サラサラでいい香りのホープになった。

 

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◎ミスチル  2002,8,16  

 

最近、ふとしたことからMr.Childrenのファンの方が運営しているサイトに

辿り着いて、いろいろ見ているうちにミスチルの歌に興味を持った私。

こないだの定休日にはCDまで買ってしまった。(笑)

 

もちろん、今までもミスチルの歌はFMやテレビでも聞いて知ってはいたけど

歌詞をちゃんと読んでみたい・・・とまでは思ったことなかったんだけどね。

 

すんご〜くいいね。( ̄∇ ̄*)

 

うちの母は、ホープに対して、どうしても「何とか良くならないんだろうか」との

思いをなかなか断ち切れないらしい。

でもね、一番辛いのはホープなんだよね。

 

発作が起こる瞬間を目の当たりにして、私はなんか、考えが変わったの。

普通の犬のような生活が出来なくても、何をするにも手がかかってもね、

あの発作さえ起きなければ、それでいいって思えるようになった。

 

今日も一日、発作が起きなかった

フードを上手に食べることができた

オシッコを外に出すまで我慢が出来た

ウンチを踏まなかった

 

こうしてね、普通の犬なら当たり前に出来ることでも

ホープにしてみたら、すごく大きな進歩なんだよ。

 

期待し過ぎずに、ありのままのホープの現実を受け止めて

ささいなことでも喜びに変えて行くの。

 

「叶いもしない夢を見るのは 

もう止めることにしたんだから

今度はこのさえない現実を

 夢みたいに塗り替えていけばいいさ

そう思ってんだ 

変えていくんだ 

きっと出来るんだ」

 

〜Mr.Childoren「蘇生」〜

 

お忙しいのに、「その後調子はどうですか?」と電話を下さる主治医の先生。

 

電話や携帯でのメールのやりとりの時にでも、開口一番「ホープどう?」と

聞いてくれる私の友人たち。

カキコやメールで励ましてくれる、HPのお客さんたち。

 

ほんとに有難くて心強い限り。<(_ _)>

これからも叱咤激励よろしくです。

 

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◎ホープの死  2002,8,24  

 

投薬を始めてから発作も起こさず、しばらくは調子の良かったホープだったが

ここ2〜3日前からまた調子が悪くなってしまった。

ひっくり返ってしまうようなテンカンの発作は起こさないものの、

ずっと首を小刻みにしゃくりあげるような動作を繰り返し、あちこちぶつけながら

フラフラ歩き回り、しりもちを付いたらそのままその場で小刻みに頭を振っている。

 

昨日はついにご飯も食べられないほどだった。

そして、今朝はあまりにもぐったりしているホープを心配した母に

7時半ごろ電話で起こされる。

それで、今朝仕事の前にホープを獣医さんに連れて行った。

私としては、ご飯を食べていないホープに栄養剤を点滴してもらおう・・・

くらいに考えていた。

 

ホープと母を獣医さんに置いて、私は仕事のために自宅へ戻った。

程なくして母も1人で帰ってきた。

ホープは検温が不可能なほどの高熱だったらしい。

ぐったりしていたのはそのせいだ。

 そして、午前中の仕事が一段落してから病院に電話する。

院長から告げられたのは「ジステンバー脳炎」の疑いが高いこと、

このまま何もしなければ2〜3日で大きな発作を起こして死ぬだろう、

鎮静剤を投与しながら発作を起こさないように延命は出来るが

元気になるということは、もうない・・・とのことだった。

 

そして、どうしたらいいのかと尋ねる私への答えは「安楽死」を勧めるものだった。

 

あのホープの小刻みな頭の振りは、ジステンバー脳炎の症状だったらしい。

もちろん、うちに引き取った時にワクチンは接種している。

仔犬の頃に脳に感染したものが今頃になって発症したのだろう、とのことだった。

 

私は頭が真っ白になった。色んなことが頭をよぎった。

ホープのあの様子を見ていたら、このまま眠らせてやる方がいいのかもしれない、

でも・・・本当にそれがホープのためか?

 

本当に、本当に悩んだ。

すぐに答えの出ることではなかった。

先生に夕方までには返事をします・・・と電話を切って

私は仕事をしながら、とにかく悩んだ。

母とも何度も何度も同じことを話し合った。

 

あちこちぶつけて傷だらけになりながら、疲れてしりもちを付くまで

フラフラ頭を振りながら、のた打ち回るホープを見ていたら

このまま、眠らせてやるべきなんだろうと母も私も頭では分かっていた。

 

この犬が終わったら電話するわ・・・やっぱり次の犬が終わってからにするわ・・・

それでも私は病院へ電話を出来ないでいた。

 

そうこうしていると、夕方病院から電話があった。

発作が起きて呼吸が止まり、手を施したがダメだったとホープの死を伝える電話。

 

ホープは、私に辛い決断をさせることなく、自分で旅立って行った。

私と母が悩んでいるのを分かっていたの?

ごめんね、ホープ。私はなにも分かってやれなかったのに。

 

母に迎えに行ってもらって、ホープは再び我が家へ帰ってきた。

やっと、ラクになったね。

これでぐっすり眠れるね。もう、何も怖くないんだからね。

 

こんなにあっけなく逝ってしまうなんて。

もっと優しくしてあげたらよかったよ。

 

ホープ、辛かったよね。

でも本当に頑張ったね。

 

今はただ、ゆっくり眠って心と体を休めようね。

 

自分の睡眠時間を削ってまでもホープを気遣い、優しくしてくれた母も

ホープと一緒にしばらく何もかも忘れて眠ってください。

 

お疲れ様でした。そして、ありがとう。

 

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 ◎ホープは虹の橋へ  2002,8,25  

 

ホープは目が見えなくなっても、みんながいるリビングが好きだった。

ワンワンうるさく騒がれると怖かったくせに、

それでもリビングで寝るのが好きだった。

 

だから、今日は一日ホープをリビングで寝させて私とは母は仕事をした。

ホープにくっついて昼寝をするのが好きだった隼斗は、

今日もホープの側にいた。

 

そして夕方6時ごろ、犬友社さんの火葬車が来た。

ルーチェや小春、小町もそうだったように隣の空き地で火葬してもらった。

ホープにとても優しくしてくれたなつが、代表して一緒に見送った。

 

お腹の空いているだろうホープに、山ほどのフードと缶詰を持たせて

虹の橋へと旅立たせる。

 

昨日は、あまりにもあっけなかったホープの死に私自身、うろたえて

ホープの短すぎる一生を思うと可哀想で涙が止まらなかったけど

今日、火葬車に横たわるホープの顔を見て、改めてこれでやっとホープは

ラクになれたんだな・・・って思った。

 

それくらい、穏やかで安らかな顔をしていた。

 

ホープ、私に安楽死という決断をさせずに逝ったこと

みんなが「ホープは親孝行だね」って言ってくれてるよ。

本当にそうだよね。

ちゃんと絆が出来ていたんだなって思っていいよね?

 

私は相変わらず、ホープに対して「ごめんね」って気持ちでいっぱいだけど

もし、また生まれ変わってきた時はうちの子になってね。

今度こそ、幸せにしてあげるから。

 

ホープの死を悲しむ多くの人の流してくれた涙で出来た流れに乗って

無事に虹の橋へ辿り着いたことでしょう。

嬉しそうに元気に走るホープの姿が目に浮かぶよ。

 

まだまだそこにホープがいそうな気がしてるけど

小さな骨壷に入って帰ってきたホープの周りは花で溢れて

やっぱり嬉しそうなホープの顔が浮かびます。

 

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( ごえママ追記 )

 

  日記には、ジステンパー脳炎の症状と出ていますが

  ホープ君はジステンパーの症状ではなく、CLの症状であったと思われます。

  その当時は、獣医師にも全くCLという病気の認識がなかったため

  ジステンパーやコリーアイを疑われたようでした。

 

 その後、突然死んでしまったホープ君の病気に疑問を持っていた主治医の先生が

  同胎犬(ごえもん)の死を聞いて、原因を知りたいと言ってくださり

  カルテや資料をもとにそれぞれの主治医同士が電話で話し合った結果

  ホープ君もCLに間違いないだろうとの結論に至ったのです。

  ただし、病理診断をしていないため確定診断には至りませんでした。

  

  

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