「ぼく ボーダーコリーのゴエモン」                    

                                           5 年  粕 川 令 美  

 

この作文は、現在中3の娘が5年生の時

小学校の作文の時間に書いた物です。

    選ばれて その年の学校の文集に載せていただきました。

7月2日 この日は、待ちに待っていた日だ。

家でかうことになった犬を、ブリーダーさんの家にむかえに行くのだ。

種類はボーダーコリーで、名前ももう決まっている。

「ゴエモン」という名前だ。 親を何とかせっとくしてかってもらうことにしたが、

山形から迎えに行くには、かなり時間がかかる。

 

私は、じっとしているのが大きらいで、車に何時間も乗っているのはがまんができない。

だけど、そのくらいのがまんができなければ、犬なんかかえない。

私は、下を見ているとすぐ車よいするから、マンガ類は持っていけない。

だから、わたしは ヘッドフォンとテープを3つくらい持って出かけた。

だが・・・・・・・・。

テープは一つ1時間ぐらいなので、3,4時間ぐらいで聞き終わってしまった。

それからまた聞こうと思ったけど、何回も聞いたテープだから、あきてしまった。

 

それから、私の「たいくつ」から勝つ戦いが始まった。

お母さんに、「ねえ、まだ?」と、聞くと 「まだまだ。」と答えた。

その瞬間、私は 「はあ・・・・・・・・。」 と深いため息をついた。

 

ひまだったから、お兄ちゃんにちょっかいを出してみた。

そしたら、頭を思いっきりたたかれて

しかも 「お前、じゃまだ。あっちに行ってろ。」とおこられた。

でも私はしょんぼりしないで 逆におもしろくなった。

頭をつんつんしたり、足に乗ったりしてたら、今度はお兄ちゃんに乗られて苦しくなり

「ギブ、ギブ。」 と叫ぶと、お兄ちゃんはやめてくれた。

 

でも、また私はお兄ちゃんに何かしようとしたが、 「もうやめなさい!」と、

お母さんにおこられた。  今度は、がんばって寝ようとした。

15分くらいずっと目をつぶっていたが、なかなか眠れない。

だから、しかたなくまた音楽を聞くことにした。1時間ぐらい聞いていると、

電池がなくなってしまった。

もう1回お母さんに 「後何分?」と聞くと、

「ん〜、後1,2時間ぐらいでつくかなあ。」と言った。

 

「あ〜あ」 私は、15分くらいたったら、また 「ねえ、まあだ?」と聞いた。

そして、また何分かたったあとに 「まあだあ?」と聞いた。

お母さんは、このせりふを聞くごとに、 「あと、もうちょっと。」と言う。

私は、 「もうちょっと、もうちょっとってえ、いつになっても着かないじゃん。」と

ぶつぶつ言っていた。 そして、また寝ることにした。

目をつぶっていると、車が止まった。なんだと思って起きてみると マクドナルドだった。

どうやらお昼の時間みたい。ちょうとおなかもなってきた。  

 

ハンバーガーを食べながら、お母さんに、 「ゴエモン、大きくなったかなあ。」と聞いた。

お父さんが、1回千葉に行ってゴエモンの写真をとってきた。

それを見て かうかもしれないことになったのだ。だけど、

それは今から1か月も前の写真だったので どのくらい大きくなったかわからないのだ。

そして、お母さんは 「このくらいじゃない?」と、手で表現してくれた。

食べ終わった後、トイレに行って、残ったジュースを片手に車に向かった。

 

そしてついに、ゴエモンがいるブリーダーさんの家に着いた。

私は少しドキドキしていた。ゴエモンを生で見るのは、初めてだからだ。

ゴエモンがいる部屋に入ると、灰色の犬と黒い犬と2匹いる。

うちで引き取る犬は、灰色の方だ。 奥には、もう一家族いる。

その家族は、たぶん黒い方のボーダーコリーを引き取りに来たのだろう。

ゴエモンともう1匹の犬は、追いかけっこしたりじゃれたりしている。

 

この黒い犬は、ゴエモンの兄妹らしい。この黒い兄妹とも今日でお別れだ。

ちょっとかわいそう。

犬の飼い方などをブリーダーさんに聞いて、とうとうお別れだ。

最後に記念さつえいをした。

ゴエモンは兄弟と別れるのがわかったのか、何となくさびしそうに見えた。

でも今度兄妹会をするそうなので、その日会える。

 

帰りには、すごい雨がふって、1回だけゴエモンは はいたけど、

その後はすごく元気だった。

私は、来るときにはすごくたいくつだったけど、

帰りはゴエモンもいて、全然たいくつじゃなかった。

無事にゴエモンをむかえに行けたし、兄弟やブリーダーさんとも

会えたから いっしょに迎えに行ってよかったと思う。

               ゴエモン、これからよろしく。

   

 山形から関東まで ごえパパが首都高を嫌って

  (その当時、長距離運転は大嫌いで首都高は絶対運転したくないと 言っていました。)   

    山形道・東北道・磐越道・常磐道・国道16号・東関東道路と  

    片道7時間(往復14時間)、とんぼ返りの長旅でした。  

  

  年頃のせいか、家族と滅多に行動を共にしなくなっていた

    当時中3の長男も同行して (久々に家族揃っての遠出)

    家族全員でわくわくしながら ごえもんを迎えに行った時の作文です。

 

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